最近、歯ぎしりを主訴として来院される方が増えた気がします。
朝起きた時に顎がだるい
顎の周りが疲れている
自分のギリギリ音で起きる
家族にうるさいと言われる
歯が欠けた等々。
新型コロナの影響もありストレスが溜まっている方も多いのかもしれません。
歯ぎしりはストレス発散のために本能的に行う行動と言われていますので、身体にとっては悪いことではないのですが、やりすぎると様々な悪影響も出ます。
歯ぎしりで歯に加わる力は自分の体重以上と言われていますから、それが毎日続けば歯が割れたり欠けたりしても不思議ではありません。
他にも詰め物が外れたり、顎関節や咬筋の痛みが出たりもします。
対策としては、歯ぎしりそのものを無くすことは不可能なので、悪影響の出ない範囲に力を少なくすることを目標とします。
日頃から上下の歯が触れている癖(TCH)がある人は、寝ている時に歯ぎしりしやすいと言われていますから、まずはTCHをしないよう意識することが重要です。
TCHに関する記事はこちら↓
https://www.sancha-shika.com/blog/?p=98
開口ストレッチ(1日3回10秒程口を大きく開ける)や咬筋(エラの部分)をマッサージして筋肉をほぐすことも有効です。
寝ている時は自分の意識でコントロールできませんので、マウスピースの着用を検討してもらいます。マウスピースはソフトタイプ、ハードタイプ、それぞれ厚みも様々あります。
過去にハードタイプを作ったが異物感が強くて寝られなかった人はソフトタイプをお勧めします。ソフトタイプでは1ヶ月も経たずに穴が空いてボロボロになってしまった人にはハードタイプをお勧めします。
効果としてはハードタイプの方が良いですが、やはり異物感が強いのは否めません。形態を変えたり厚みを薄くすることで異物感を少なくすることはできます。
保険適用可。
マウスピースを毎日付けるのは面倒、忘れてしまうという人には、ボツリヌストキシン療法を検討してもらいます。ボツリヌストキシンは神経と筋肉に作用し歯ぎしりの力を弱くすることに繋がります。
効果の強さや期間には個人差があります。
保険適用外。
いずれの対策も歯ぎしりを0にすることはできません。
生涯、歯ぎしりと上手く付き合っていくために対策を用意しておきましょう。