師走に入り、いよいよ本格的に寒くなってきましたね。院長の佐野です。
風邪などひかないよう気をつけましょう。
先日、医院を臨時休診にさせてもらい久しぶりのセミナーに参加してきました。
最近までコロナでほとんど行われていなかった実習型のセミナーで、2日間みっちりトレーニングを受けてきました。
参加したのは、SJCD(日本臨床歯科学会)の大河雅之先生による「マイクロベニアコース」です。
マイクロ ←マイクロスコープ
ベニア ←ポーセレン(セラミック)ラミネートベニア
のことを言います。
大河先生は世界各地でベニアの講演をされている著名な先生です。
少し前まではセラミックの強度や接着の問題で、被せ物が割れたり外れたりしないように土台となる歯を大きく削らなければなりませんでした。
近年ではセラミックの強度も増し、接着の材料も進化したため、極薄のセラミックで歯の形態を回復することができるようになりました。
これをポーセレンラミネートベニア修復と言います。
被せ物が薄くできるということは、土台となる歯を削る量や範囲をかなり減らすことができます。
文献では従来の方法と比べて削る量が70%→30%まで減らせるとの報告があります。
現在の優れた技術を持ってして作られた人工物でも天然の歯に勝るものはありません。最高に優れた性質を持っている天然の歯を削る量は少ない程、歯の寿命を縮めずに済みます。
天然の歯の中でも最も残したいのが「エナメル質」という歯冠の表面を覆う組織です。エナメル質の硬さは人体の中で最も硬く骨よりも硬いです。表面が滑沢で汚れも付きにくく、虫歯の原因となる酸に対しても他の組織と比べて抵抗力があります。
被せ物を接着させる際にもエナメル質が多く残っている程、接着力が高まります。
以上のことから、歯を削る時にはエナメル質をなるべく残しながら削るという事が重要です。
ところがエナメル質の厚さは1〜2㎜前後しかありませんから、最も薄く削る部分は0.5㎜以下です。
その際に肉眼で削るよりもマイクロスコープを使って拡大視野で削ることで、できる限りエナメル質を残して歯の寿命を縮めないようにしましょう!というのが今回のセミナーの主旨です。
またマイクロスコープを用いた治療は、適合が良く2次的な虫歯になりにくい被せ物ができること、確実な接着で被せ物を長持ちさせられることにも繋がります。
ポーセレンラミネートベニアが薄くて良いものが出来ても、術者の削り方や接着技法が悪ければ長持ちしないこともあり得ます。
今回のセミナーで著名な先生に指導を受けて私たちの診療のレベルが上がるように活かしていきたいと思います。
患者さんの歯や被せ物が長持ちして生活に支障をきたさないよう、私たち歯科医師や歯科技工士は日々様々な工夫や努力をしています。
さあ、今年の汚れ、今年のうちに!
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